ねんきん定期便 2

◎「ねんきん定期便」の送付方法
定期便は,A4サイズが入る大きさの封書で郵送されます。送付されてくる封筒の色にまずは注意して下さい。

 通常 ⇒ 原則として空色
要注意者 ⇒ オレンジ色
名寄せにより加入期間に記録もれの可能性の高い人で特別便に未回答の人や「訂正なし」と回答した人,および標準報酬月額に誤りの可能性のある人には,注意を喚起する意味からオレンジ色の封筒で送付されます。念入りに確認することをお勧めします。

◎「ねんきん定期便」の中身の違い(平成21年度)
前回も記述しましたが、「50歳未満」、「50歳以降」、「年金受給者で現役被保険者の方」の別により、同封されてくる中身と書式が異なります。ご友人と確認された場合等、慌てずに対処して下さい。

◎「ねんきん定期便」が送付されてきた場合に何をしなければならないのか?
送られている「年金加入履歴」や保険料の納付状況に書かれている内容に「もれ」や「誤り」がないかを確認してください。また、同封されてくる回答票の色によっても手続きが異なります。次の点には注意して下さい。

同封の「年金加入記録回答票」が「水色」の方
「もれ」や「誤り」がある場合には、同封の「年金加入記録回答票」にその内容を記入し返送します。「もれ」や「誤り」がない場合にも、回答票の2の1に「○」を記入して(「訂正なし」として)返送する必要があります。

同封の「年金加入記録回答票」が「白」の方
「もれ」や「誤り」がある場合には、同封の「年金加入記録回答票」にその内容を記入し返送します。「もれ」や「誤り」がない場合には回答の必要はありません。

※ すでに「ねんきん特別便」などで「もれ」や「誤り」があると申し出ている期間や、第三者委員会へ申立をしている期間については、別途、回答する必要はありません。

加入記録を確認する際のチェックポイント等、次回以降に掲載致します。

ねんきん定期便 1

◎ ねんきん記録確認作業の経緯

平成20年10月まで、年金受給者等と加入者に対して、いわゆる宙に浮いた年金記録が結び付く可能性が高い方から優先して「ねんきん特別便」が送付されました。このようにして記録の確認を求めてはいるものの、未だ完全解決への道のりは険しく、さらなる確認作業の必要性に迫られています。
そのような経緯の中で、平成21年4月以降は、国民年金・厚生年金保険の加入者(被保険者)を対象に、毎年誕生月に「ねんきん定期便」が基礎年金番号に登録された住所に送付されるようになりました。

◎ ねんきん定期便の内容

平成21年度は、より詳細な過去も含めた記録の確認を、平成22年度以降は、平成21年度で一度定期便を送付していることから、保険料納付状況等は更新部分のみを記載して送付する予定です(節目の年齢とされている35、45、58歳は21年度同様に詳細な記録を送付)。

【主な中身】
平成21年度
① 年金加入期間
② 年金見込額
ア 50歳未満の方・・・ 加入実績に応じた年金見込額
イ 50歳以上の方・・・ 「ねんきん定期便」作成時点の加入制度に引き続き加入した場合の将来の年金見込額
※ なお、既に年金受給中(全額停止も含む)の方には、年金見込額はお知らせしません。

③ 保険料の納付額
④ 年金加入履歴
⑤ 厚生年金のすべての期間の月毎の標準報酬月額・賞与額、保険料納付額
⑥ 国民年金のすべての期間の月毎の保険料納付状況

平成22年度以降
<節目年齢時(35歳、45歳、58歳)の方々>
平成21年度と同じ内容(①~⑥)の記録を更新してお知らせします。
<上記以外の方々>
上記①~③について、記録を更新してお知らせします。また、上記⑤及び⑥について、 直近一年分をお知らせします。

※該当者については、まずは「ねんきん定期便」が誕生月に確実に送付されてくるか、その上で記録の確認作業にうつることになります。なお、1日生まれの方は、誕生日の前月に送付します。従って、4月1日生まれの方は、平成22年3月が初回の送付となります。

労働法3 退職金ってもらえるの?

◆退職金がもらえる会社ともらえない会社の確認方法は?

前回のコラム(労働法2)にも関連しますが、常時10人以上の労働者を雇用する事業所は、就業規則の作成が義務付けられています。また、これらの企業において退職金が支払われる場合には、「退職金が支払われる労働者の範囲」、「退職金の決定・計算・支払方法」等の必要な事項を記載し、労働者に周知し、労働基準監督署に届け出ることが義務とされています。したがって、就業規則にどのように記載されているのかを確認することが必要でしょう。
また、10人未満の労働者を雇用する事業所には、就業規則がないかもしれません。この場合にも、雇い入れ時に個別に労働条件を記載した文書を交付する義務はありますので、通常であれば、この文書の記載内容を確認することになります。これ以外で、特別に契約を文書化して交わしていないのであれば、退職金が支払われるのか、その金額はどうなのかなどの重要事項が存在しない(つまり退職金がない)か、いわゆる「口約束」や「慣例」の世界での話となり、とても不確実です。退職金の有無は将来設計において非常に大きなことです。あらかじめ、確認しておきましょう。

◆退職金は事業主からのメッセージ!?

会社が、毎月の給与を支払っているのにも関わらず、退職金を支払う意味は何なのでしょうか?会社にとってもかなりの出費のはずです。そうまでして支払う退職金が、もはや「周りの企業もやっているから」では、会社にとってはメリットが少ないかもしれません。少なくとも、退職金を支払う理由(目的)には、それ相応の会社としての考え方、従業員へのメッセージが含まれていることでしょう。およそ次のような考え方があるのかも知れません。務め先の退職金にはどのようなメッセージが込められていますか?

 従業員のこれまでの功績を報償する意味あい
 従業員の退職後、特に定年退職後の生活保障
 賃金の後払い
 従業員の定着を狙って  等

労働法2 就業規則って見たことありますか?

◆就業規則とは?

就業規則は、従業員の労働条件や、従業員として守らなければならない職場の規律を定めた文書です。多数の従業員を有する企業では、その企業の目的を達成するために雇入れた従業員を組織化し、その労働条件や職場の規律を画一的に規制する必要があり、作成されます。常時10人以上の労働者を雇用する事業所は、就業規則の作成が義務付けられており、同時に、従業員への周知が義務とされています。勤め先の就業規則がどこにあるのか?見たことありますか?

◆労働契約との関係

会社には従業員の雇い入れに際して、一定の労働条件を文書で交付する義務があります。通常、「労働条件通知書」や「雇用契約書」なんて呼ばれる労働契約の内容が記載された文書を、事業主もしくはしかるべき人事権のある上司が、説明をしながら手渡すことが必要でしょう。これらの文書をもらった記憶がありますか?
 就業規則もない、これらの労働条件を指し示す文書もないのでは、一体どんな条件で働いているのか、いわゆる「口約束」の世界になってしまい、非常に不明瞭です。法令順守という観点からの義務違反だけではなく、これから働いていく上で、とても心配なことです。確認をして、必要であれば、文書の交付を要求しましょう。
 
◆日々感じること

私たち社会保険労務士は、日々多くのクライアント企業の方に対して、労働条件の整備に関するアドバイスをさせていただいております。初めてお会いする企業の場合、非常に労働条件の整備が進んでいる企業もあれば、目を疑うほど、全く何も整備されていない企業もあります。労働条件の整備は、必ずしもお金が掛かることばかりではありません。従業員をただの「労働者」ととらえるのか、仕事を一緒にすすめていく「パートナー」ととらえるのかは、まさに事業主の考え方であり、人生の多くの時間を自分の会社に注いでくれる方々を、私は、「大切なパートナー」であると考えるべきだと思います。そうであれば、働きやすい職場を一緒に造っていくために、もっと労働条件の整備に関心を持って取りくんでもらいたいと思います。結果として、優秀な従業員の定着、モチベーションの維持・向上から、きっと企業目的の達成に近づくことだと思います。

離婚時の年金分割制度 ~平成19年4月1日から始まった新しい制度~

◆どんな制度なの?
 離婚等をしたときに、厚生年金の保険料納付記録を当事者間で分割することができる制度です。
 この年金分割制度は、離婚時の厚生年金の分割制度(合意分割制度 平成19年4月1日実施)と、離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金の分割制度(3号分割制度 平成20年4月1日実施)があります。
 厚生年金の保険料納付記録(法律上「標準報酬」といいます。)は、厚生年金の保険料の計算の基礎となるとともに、老齢厚生年金等を受けるときにその年金額の計算の基準になります。したがって、厚生年金の保険料納付記録を当事者間で分割した場合は、当事者それぞれの老齢厚生年金等の年金額は、分割後の記録に基づき計算されます。

 分割をした方
ご自身の厚生年金の保険料納付記録から、相手方に分割をした記録を除いたその残りの記録に基づき、年金額が計算されます。
 分割を受けた方
ご自身の厚生年金の保険料納付記録と相手方から分割された記録に基づき、年金額が計算されます。ただし、分割後の記録に基づく老齢厚生年金等を受けるには、ご自身の厚生年金の加入期間や国民年金の保険料を納付した期間等によって受給資格期間を満たしていることが必要です。

◆合意分割制度とは?
 次の条件に該当した場合に、当事者からの請求により、厚生年金の保険料納付記録を当事者間で分割することができる制度です。
 この制度により分割される記録は、離婚等をしたときは、その「婚姻期間の当事者の厚生年金の保険料納付記録」に限られます。

 平成19年4月1日以後に、離婚した場合や事実婚関係を取消した場合など。
 当事者の合意や裁判手続により年金分割の割合を定めたこと。
 請求期限を経過していないこと。

◆3号分割制度とは?
 次の条件に該当した場合に、国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、平成20年4月1日以後の相手方の厚生年金の保険料納付記録の2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。
 この制度により分割される記録は、「平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の相手方の厚生年金の保険料納付記録」に限られます。

 平成20年5月1日以後に、離婚した場合など。
 平成20年4月1日以後に、国民年金の第3号被保険者期間があること。

労働法1 社員の副業・アルバイトをめぐる注意点

従来から、社員の副業やアルバイトを禁止している企業は多いと思います。不況による先の見えない雇用不安の中、休業等を命じられた社員に対してどのような対応がなされているのか、確認していきたいと思います。

◆不況による影響
金融危機に端を発する昨年来の不況により、各企業における「派遣社員の解雇」、「有期契約労働者の雇止め」、「一時帰休」、「希望退職・早期退職」、「退職勧奨」、「整理解雇」の実施などが数多く報じられています。また、「給与カット」「賞与カット」などを実施するところもあり、これらは社員の生活に関わるため、大きな問題となっています。
これらの措置による社員の収入減に対応する施策の1つとして、従来は認めていなかった「副業」や「アルバイト」を容認する企業が徐々に増えているようです。副業・アルバイトを認めることにより、減った分の給与を自身で補填してもらうのが狙いです。

◆会社側の選択肢
これまで社員に副業・アルバイトを認めていなかった(いわゆる「兼業禁止規定」を置いていた)会社がこれらを認める場合の選択肢としては、以下の3つが考えられます。
(1)「会社による許可制」として認める。
(2)「会社への届出制」として認める。
(3)「完全解禁」として認める。
上記のいずれを選択するにしても、会社の就業規則や社内規定を整備し、社員の副業・アルバイトを認める場合の基準がはっきりと社員に示されていなければなりません。
また、副業・アルバイトを認める場合でも、期限を決めて認めているのか、今後はずっと認められるのか等も把握しておく必要があります。

◆副業・アルバイトが認められた場合の社員側の注意点
副業・アルバイトを行う上で、注意しなければならない点がいくつかあります。
1つは、「勤め先の業務と競合するような会社での副業・アルバイトは禁止されていないか」を確認する必要があります。自社の社員を競合会社で働かせることにより、営業秘密やノウハウなどが他社に漏れる可能性を企業は非常に嫌がるからです。
もう1つは、「疲労やストレスなどを溜めず、本業でも精一杯勤務できるように注意する」ということです。副業・アルバイトが認められてトータルの労働時間が長くなり、疲労・ストレスが溜まったことにより本来の勤め先での仕事がおろそかになってしまっては、本末転倒です。このような場合には、社員側の就労義務を果たしていないと判断され、何らかの処分を命じられることもありえます。

障害年金3 障害年金の基礎知識 ~知らないが故にもらってない年金(障害年金請求編)~

障害年金の請求について

前回、前々回で障害年金(障害厚生年金、障害基礎年金)の受給要件について確認してきました。今回は実際に障害年金を請求する際の注意点を確認していきます。

事前に何の準備もせずに、取りあえず社会保険事務所に行った場合には、「診断書」、「病歴・就労状況等申立書」と「障害給付裁定請求書」の3種類の書類作成と添付書類の準備を指示されると思います。

 年金請求における障害は1級~3級まで分かれており、それぞれ障害の程度により判断され、1級が最も障害が重く支給額が高くなります。「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」は障害等級を決定する上での有力な判断材料となっているため、十分に慎重に取り扱わなくてはなりません。もちろん、虚偽の報告は絶対にNGです。
行政機関は、どのように記入したらよい等ということを、そこまで親身に教えてはくれません(受領する側なので当然言いづらいでしょう)。いわばグレーゾーンといわれる各障害等級のボーダーライン上にある方々にとっては大きな結果の違いとなってくるのです。また、不必要な記入があったが故に、追加での添付資料を求められるなど、通常1度の提出でスッキリと終わらないという実態があります。

実際の請求の際には、障害等級の決定に納得がいかなかった場合の不服申し立ても視野に入れて、これらの提出書類のコピーを取っておく等の対応も必要かと思います。このような実態を踏まえた上で、しかも早い段階で申請の検討に入られることをお勧め致します。

障害年金2 障害年金の基礎知識 ~知らないが故にもらってない年金(障害基礎年金編)~

障害基礎年金の受給要件

次の要件を全て満たすことが必要です。前回の障害厚生年金の受給要件と類似した項目が多くなります。

要件1:被保険者要件と障害要件
障害基礎年金は、傷病により初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)において、次の①、②のいずれかに該当した人がその初診日から起算して1年6カ月を経過した日、もしくはその期間内に治った場合は治った日(症状が固定し治療の効果がこれ以上期待できない状態に至った場合のこと)に障害等級の1級または2級に該当したとき、または障害認定日に障害等級の1級及び2級に該当しなかった人が、65歳に達する日の前日までに障害等級に該当し、請求を行ったときに、その障害の程度に応じて支給されます。
 ① 国民年金の被保険者であること。
 ② 国民年金の被保険者であった者であって、日本国内に住所を有しかつ、60歳以上65歳末満であること。
 
要件2:保険料納付要件
初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があるときは、その被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が被保険者期間の3分の2未満であるときは支給されません。
 ただし、平成28年4月1日前に初診日のある障害(初診日において65歳末満の人に限ります)については、3分の2以上の納付要件を満たさなくても、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の未納期間がない場合には、障害基礎年金が支給されます。

前回に引き続き、障害基礎年金の受給要件について確認しました。受給要件を文書で書くと、間違った表現をすることができないため、どうしても固い文書になりがちです。ただ、このコラムを通じて感じて欲しかったのは、あまりにも障害年金の無請求が多いという実態であり、年金の制度上、自分から請求しない限りは(よっぽど親切なお医者さんが教えて下さったらいいのですが・・・。)勝手には支給されないということです。

また、どこで受給要件を満たしているのかを確認すればいいのか?とよく聞かれます。まずは、行政機関である社会保険事務所や、私達のような年金の専門家である社会保険労務士に問い合わせてみることが第一歩となります。
障害基礎年金と障害厚生年金の申請については、社会保険事務所が窓口となっており、その他各種共済組合による障害年金はそれぞれの共済組合に窓口があります。

障害年金1 障害年金の基礎知識 ~知らないが故にもらってない年金(障害厚生年金編)~

障害年金とは?

「障害年金」とよく総称して言われることが多いですが、共済等を除く国からの年金としては、障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)の2種類があり、その要件によって両方、もしくは片方受給できる場合と、それとも両方とも受給できない場合があります。それぞれの年金の基本的な受給要件を確認していきましょう。

障害厚生年金の受給要件

次の3つの要件全てを満たすことが必要です。

要件1:被保険者要件
「厚生年金の加入期間中に初めて医師の診療を受けた傷病による障害であること。ただし、障害基礎年金の支給要件を満たしている者であること。」です。
つまりは、退職後に初めて病院に掛かった傷病による障害については、障害厚生年金は支給されません。必ず在職中に一度病院に掛かられることを勧めます。

要件2:障害の要件
「初めて医師の診療を受けてから1年6ヵ月経過したとき、もしくはその期間内に治った場合は治ったとき(症状が固定し治療の効果がこれ以上期待できない状態に至った場合のこと)に障害の状態にあるか、または65歳に達するまでの間に障害の状態となったとき。」です。
「障害」という言葉にどうしても重きを感じてしまい、実際には受給が可能な方であっても、自分は該当しないと思い請求をされない方が多く存在しています。まずは、社会保険事務所に一度相談に行って、自分が申請できるのかを確認してみることを勧めます。もっとも医学的な判断が必要になるので、申請の結果として不支給の決定が下される場合もあります。この場合にも、納得がいかないのであれば、不服の申し立てができます。

要件3:保険料納付要件
「初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があるときは、その被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が被保険者期間の3分の2以上であること。」
 「ただし、平成28年4月1日前に初診日のある障害(初診日において65歳末満の人に限ります)については、上述の3分の2以上の納付要件を満たさなくても、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の未納期間がない場合に支給されます。」とあります。納付期間についても社会保険事務所で確認することができます。

労災保険1「通勤途上の交通事故」

通勤途上で自動車事故にあってしまった場合の(被災者が受ける)保険給付について、まとめてみます。

自動車事故の場合、労災保険の給付と自賠責保険等(自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済)による保険金支払のどちらか一方を受けることができます。どちらも国が運営している公的な保険であり、どちらを先に受けるかについては、被災者等が自由に選べます。

先に自賠責保険等からの保険金支払を受ける場合(これを「自賠先行」と呼んでいます。)には、仮渡金制度や内払金制度を利用することによって損害賠償額の支払が事実上速やかに行われること、自賠責保険等は労災保険の給付より幅が広く、例えば、労災保険では給付が行われない慰謝料が払われること、療養費の対象が労災保険より幅広いこと、さらに休業損害が100%てん補されること(労災保険では、特別支給金と合わせて80%)など被災者等にとって様々なメリットがあることから、自賠先行をした方が被災者にとって有利なケースが多々あります。実際には、事故状況の過失割合等が影響することもあるので一概には言えませんが、通勤災害であれば必ず「労災保険」という概念ではなく、検討の余地があります。

ただし、自賠責保険等では保険給付の内容によっては支給総額に限度があるため、自賠先行後に限度額に至った段階で残りの部分を労災保険に切り替えることも実際には可能となります。

なお、自賠責保険等に引き続いていわゆる任意保険(自動車保険又は自動車共済)による保険金支払を受けるか、若しくは労災保険の給付を先に受けるかについても、自賠責保険等と同様に、被災者等が自由に選べます。

このように、まずは事故が起こってしまった場合には、治療と警察への連絡が最優先であり、事故証明がとれていれば、実際の請求はその後のことです。どちらの請求にするのが有利であるのかを勤め先、当事者、監督機関、保険会社等を交えて相談していけばいいことになります。

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