労働法

労働法3 退職金ってもらえるの?

◆退職金がもらえる会社ともらえない会社の確認方法は?

前回のコラム(労働法2)にも関連しますが、常時10人以上の労働者を雇用する事業所は、就業規則の作成が義務付けられています。また、これらの企業において退職金が支払われる場合には、「退職金が支払われる労働者の範囲」、「退職金の決定・計算・支払方法」等の必要な事項を記載し、労働者に周知し、労働基準監督署に届け出ることが義務とされています。したがって、就業規則にどのように記載されているのかを確認することが必要でしょう。
また、10人未満の労働者を雇用する事業所には、就業規則がないかもしれません。この場合にも、雇い入れ時に個別に労働条件を記載した文書を交付する義務はありますので、通常であれば、この文書の記載内容を確認することになります。これ以外で、特別に契約を文書化して交わしていないのであれば、退職金が支払われるのか、その金額はどうなのかなどの重要事項が存在しない(つまり退職金がない)か、いわゆる「口約束」や「慣例」の世界での話となり、とても不確実です。退職金の有無は将来設計において非常に大きなことです。あらかじめ、確認しておきましょう。

◆退職金は事業主からのメッセージ!?

会社が、毎月の給与を支払っているのにも関わらず、退職金を支払う意味は何なのでしょうか?会社にとってもかなりの出費のはずです。そうまでして支払う退職金が、もはや「周りの企業もやっているから」では、会社にとってはメリットが少ないかもしれません。少なくとも、退職金を支払う理由(目的)には、それ相応の会社としての考え方、従業員へのメッセージが含まれていることでしょう。およそ次のような考え方があるのかも知れません。務め先の退職金にはどのようなメッセージが込められていますか?

 従業員のこれまでの功績を報償する意味あい
 従業員の退職後、特に定年退職後の生活保障
 賃金の後払い
 従業員の定着を狙って  等

労働法2 就業規則って見たことありますか?

◆就業規則とは?

就業規則は、従業員の労働条件や、従業員として守らなければならない職場の規律を定めた文書です。多数の従業員を有する企業では、その企業の目的を達成するために雇入れた従業員を組織化し、その労働条件や職場の規律を画一的に規制する必要があり、作成されます。常時10人以上の労働者を雇用する事業所は、就業規則の作成が義務付けられており、同時に、従業員への周知が義務とされています。勤め先の就業規則がどこにあるのか?見たことありますか?

◆労働契約との関係

会社には従業員の雇い入れに際して、一定の労働条件を文書で交付する義務があります。通常、「労働条件通知書」や「雇用契約書」なんて呼ばれる労働契約の内容が記載された文書を、事業主もしくはしかるべき人事権のある上司が、説明をしながら手渡すことが必要でしょう。これらの文書をもらった記憶がありますか?
 就業規則もない、これらの労働条件を指し示す文書もないのでは、一体どんな条件で働いているのか、いわゆる「口約束」の世界になってしまい、非常に不明瞭です。法令順守という観点からの義務違反だけではなく、これから働いていく上で、とても心配なことです。確認をして、必要であれば、文書の交付を要求しましょう。
 
◆日々感じること

私たち社会保険労務士は、日々多くのクライアント企業の方に対して、労働条件の整備に関するアドバイスをさせていただいております。初めてお会いする企業の場合、非常に労働条件の整備が進んでいる企業もあれば、目を疑うほど、全く何も整備されていない企業もあります。労働条件の整備は、必ずしもお金が掛かることばかりではありません。従業員をただの「労働者」ととらえるのか、仕事を一緒にすすめていく「パートナー」ととらえるのかは、まさに事業主の考え方であり、人生の多くの時間を自分の会社に注いでくれる方々を、私は、「大切なパートナー」であると考えるべきだと思います。そうであれば、働きやすい職場を一緒に造っていくために、もっと労働条件の整備に関心を持って取りくんでもらいたいと思います。結果として、優秀な従業員の定着、モチベーションの維持・向上から、きっと企業目的の達成に近づくことだと思います。

労働法1 社員の副業・アルバイトをめぐる注意点

従来から、社員の副業やアルバイトを禁止している企業は多いと思います。不況による先の見えない雇用不安の中、休業等を命じられた社員に対してどのような対応がなされているのか、確認していきたいと思います。

◆不況による影響
金融危機に端を発する昨年来の不況により、各企業における「派遣社員の解雇」、「有期契約労働者の雇止め」、「一時帰休」、「希望退職・早期退職」、「退職勧奨」、「整理解雇」の実施などが数多く報じられています。また、「給与カット」「賞与カット」などを実施するところもあり、これらは社員の生活に関わるため、大きな問題となっています。
これらの措置による社員の収入減に対応する施策の1つとして、従来は認めていなかった「副業」や「アルバイト」を容認する企業が徐々に増えているようです。副業・アルバイトを認めることにより、減った分の給与を自身で補填してもらうのが狙いです。

◆会社側の選択肢
これまで社員に副業・アルバイトを認めていなかった(いわゆる「兼業禁止規定」を置いていた)会社がこれらを認める場合の選択肢としては、以下の3つが考えられます。
(1)「会社による許可制」として認める。
(2)「会社への届出制」として認める。
(3)「完全解禁」として認める。
上記のいずれを選択するにしても、会社の就業規則や社内規定を整備し、社員の副業・アルバイトを認める場合の基準がはっきりと社員に示されていなければなりません。
また、副業・アルバイトを認める場合でも、期限を決めて認めているのか、今後はずっと認められるのか等も把握しておく必要があります。

◆副業・アルバイトが認められた場合の社員側の注意点
副業・アルバイトを行う上で、注意しなければならない点がいくつかあります。
1つは、「勤め先の業務と競合するような会社での副業・アルバイトは禁止されていないか」を確認する必要があります。自社の社員を競合会社で働かせることにより、営業秘密やノウハウなどが他社に漏れる可能性を企業は非常に嫌がるからです。
もう1つは、「疲労やストレスなどを溜めず、本業でも精一杯勤務できるように注意する」ということです。副業・アルバイトが認められてトータルの労働時間が長くなり、疲労・ストレスが溜まったことにより本来の勤め先での仕事がおろそかになってしまっては、本末転倒です。このような場合には、社員側の就労義務を果たしていないと判断され、何らかの処分を命じられることもありえます。

検索

お気に入りリンク

タグクラウド