GDPの帰属計算

GDPを考えていくと、あるところで不思議なことが生じてくる。
1)疫病が発生して、病院に行く人が増えたり、薬を買うことが増えたりするとGDPが増える。
2)炊事・洗濯・掃除といった、いわゆる「主婦の仕事(?)」を外注(外食、クリーニング、お掃除サービス)するとその分GDPが増える。
3)賃貸住宅に住んでいると家賃は家計支出(大家さんにとっては売上げ)だが、自宅を買って住むとGDPが減る。

なぜ不思議なのかというと、一国の経済が発展するというのは経済が豊かになって国民の幸せにつながるという前提なのだが、1)のように明らかに不幸せな状況になって経済が成長する(GDPが増える)ことが起きてしまう。

また、自家生産・自家消費、例えば、主婦の労働、農家が自分の作物を食べる、自分の家に住むというはGDP計算にカウントされない。これを補正するために「帰属計算」が行われる。自家生産を家計収入に加え、自家消費を家計支出に加える。これは、国際連合の国民経済計算(SNA:System of National Account)で認められた統一基準による計算である。

2)の主婦の仕事については主婦の月給を計算することが様々に試みられてきた。しかし、2000年に日本が導入した93年版のSNAには導入されていない。

3)については、SNAにおいて設定されており、「帰属計算」が行われる。持ち家の人は、オーナー兼賃借人となり、家計支出として帰属家賃が家計支出にカウントされ、お給料に加えて帰属家賃が収入にカウントされる。この金額は53兆円とGDPの10%を上回り、馬鹿にならない金額となってしまった。もちろん先進国では最大の比率である。国土が小さくて住宅が高価、そのくせ持ち家志向が強いこと、そして、経済成長をアピールしたい政府の思惑がからんだ結果である。

帰属計算には他に農家の農産物の自家消費分がカウントされているが、これは農業人口の減少により、非常に少ない金額にとどまっている。2007年で312万人。ひとりあたり年間50万円の自家消費をしているとして1.5兆円程度。帰属計算といえば、持ち家の家賃を指すと思って良い。

毎年、GDPが2%増とかで騒いでいるくせに10%は仮想的な数字であるというのが、ちょっと「!」と感じなくもない。

また、女性が社会進出するだけで自動的にGDPが増えていくというのも、どうかと思うのですが・・・

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2008 年 7 月 6 日5:31 PM| Mr WordPress

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