2009年6月

定期保険2

対策その2の「免責事項を設ける」について説明します。

契約当事者(保険会社と保険契約者)との間で色々な取り決めをし、お互いが合意すれば契約を成立させることができます。保険会社は、何十万人、何百万人という多数の人を相手に保険契約を締結しますので、保険会社があらかじめ定めた契約に契約者が理解納得したことを前提にハンコを押してもらうわけです。

契約の条件は、約款という冊子に全部載っています。しかし、それらを全部読み通すことはムリで、ポイントをまとめたパンフレットや設計書、そして契約者にとって不利になりかねない重要な項目をまとめた「重要事項説明書」が用意されています。これに合意・納得したことを確認したとしてハンコを押します。

生命保険契約が続いている間は、生命保険会社は契約者に対して「ある責任」、例えば亡くなったり、入院したり、介護状態になったりしたら生命保険会社はあらかじめ設定した金額を払うというような責任を負います。免責状況というのはこのような責任を生命保険会社が免れるという場合を示しています。

生命保険S社の約款を見ると、確率に影響を与えるような出来事は、「戦争その他の変乱」という書き方になっていて、その場合に保険金を支払いませんよ、とは書いておらず、「削減して支払うことがあります。」という書き方です。「その場合でも責任準備金(≒解約返戻金)を下回ることはありません。」としています。ずいぶんと良心的だなと私は感じます。

同じ約款を見ると、免責条項を設定しているのは、
 死亡保険金
(1) 責任開始日の属する日からその日を含めて3年以内の自殺
(2) 保険契約者または死亡保険金受取人の故意による致死
 高度障害保険金
  保険契約者または被保険者の故意により、被保険者が高度障害状態になったとき
と書かれています。

(2)は、保険金殺人とか保険金詐欺と言われるような事例ですね。このような場合でも保険金が支払われるとなると保険契約が殺人や詐欺をうながすことになりかねない。そんな考え方から免責事項となっています。高度障害保険金の免責事項も同様です。

(1) の自殺免責。保険契約が本来的に自殺をうながす効果を持っていますので、そうならないように免責条項に入れられています。

ところが、生命保険契約は遺族の生活を守るためのものです。だから、あらゆる自殺が完全に免責されてしまうと遺族が悲惨な生活を送ることになりかねません。だから、免責期間を3年間と設定しているのです。3年経てば、仮に自殺目的で保険加入した人でも考え直すだろう、という考え方です。

数年前までは自殺免責期間は1年間だったのですが、年間1万人程度だった自殺者が中高年男性を中心に3万人を超えてしまい、免責期間を3年間に延長することになりました。

鬱病による自殺は、これは保険会社によって対応が分かれるのですが、「契約時点で鬱病でなく、自殺時点までに医師の鬱病の診断がなされた」ことが明確であれば自殺免責機関でも保険金が支払われる場合があるようです。

(「定期保険3」に続く)

定期保険1

生命保険には、たくさん種類があるように思われますが、いくつかの視点で分類することができますので、恐くないです。

まず、お金の出る事由で分けると、
・ 死亡保険
・ 入院保険
・ 介護保険
・ その他
となります。
(年金保険が入っていませんね。これはちょっと特殊なので今は除いておきます。)

保険料というのは基本的には確率で決まってきます。昔、数学で「期待値」というのを勉強したことがあるかと思います。ある年の死亡率が1%で保険金が1000万円だとすれば、1000万円の1%、すなわち10万円が年間保険料となります。

掛け捨ての保険というのは基本的にこれだけのことなのです。
生命保険会社はいろいろな確率のデータを持っています。死亡の確率、入院の確率、介護状態になる確率など。それらに応じて保険料を算出します。

各保険会社には数理部というような部署があり、保険数理人(アクチュアリ)と呼ばれる人がその部署にいます。保険数理人の試験はかなり難しい数学が主です。大学の理学部数学科を卒業したような人たちじゃないと合格ムリって感じです。

どうして難しい数学が必要になるかと言うと、1000万円の1%で10万円。はい保険料10万円よろしく、というわけにはいきません。なぜなら・・
・ 保険会社にも利益が必要
・ 保険契約のためのコストがある
・ 1年間だけの保険だけでなく、5年契約、10年契約、20年契約などあり
・ 長い期間だと途中で死亡率が上昇していく。それでも保険料を一定にするためには。
・ 掛け捨ての保険だけでなく、貯蓄性のある保険もある。金利も考えないと・・

というような要因に対してきちんと考慮して保険料を決めないといけないからです。

しかし、確率論どおりにいきますかねぇ。という疑問が起きますね。

例えば死亡についてはかなり確率論どおりになります。でも、疫病が発生したり、大規模な災害が起きたりする可能性もありますね。

そのために保険会社はふたつの方法で対策しています。
 その1 保険料を高めに設定する
 その2 免責事項を設ける

対策その1は、保険料を高めに設定する方法です。なんて単純な! と怒られそうですが、保険料を高めに設定すると基本的には保険会社にお金が余っていきます。これを契約者に「配当金」という形で分配するのです。そうすると文句はないですよね。

この配当金が出る保険。有配当保険。これって、全労災のような共済とか、歴史の長い保険会社(漢字系の名前の会社が多い)、特に相互会社と呼ばれる保険会社には多いです。この相互会社というのは生命保険会社だけに許された会社形態でして、契約者が株主と似た立場になり配当を受ける権利を持ちます。株式会社の株主と同様、会社の経営にもかかわることが(一応)できます。

外資系を中心とした新しい保険会社(カタカナ系の名前の会社が多い)や、損害保険会社が子会社として設立した生命保険会社(ひらがな系の名前の会社が多い)は、株式会社で無配当保険を中心に販売しています。

(「定期保険2」に続く)

耐震建て替え奨励策

ひとつの国の経済を閉鎖系として見れば、
 
 国民の支出合計 = 国民の収入合計
 
となります。ですから、企業やら個人やらが収入の全部を消費すれば翌年も同じだけの収入が確保できます。しかし、収入の一部を貯蓄して、残りを支出するのであれば、翌年は国民の収入合計、すなわちGDP(国内総生産)が減ってしまうのです。縮小再生産です。

もっとも、貯蓄は銀行の信用創造機能によって預金の数倍の貸付がなされる(通貨量が増える)ことから、設備投資などの支出が増えます。その度合いを日本銀行が調節します。

でも、それだけでは日本の巨大な経済を維持・発展させることはできません。
特に景気が悪くなると銀行は貸し出しを制限することになりますから、負のスパイラルとなってGDPが大きく減少することになってしまいます。大不況や恐慌になってしまうのです。

かつてほど輸出に頼れなくなった現在、政府に対して国民の「景気対策せよ!」という大合唱が起こるわけですね。

景気対策とは実は「むだ遣い」に他なりません。
必要のない高速道路や新幹線を作ることもGDP上昇(=景気刺激)のためには意味があります。でも、残念なのは自然が壊れていくことですね。

ケインズは、「穴を掘って、またその穴を埋めるというような非生産的なことでも、公共投資の効果はある」と言って、有効需要を創り出す意義を唱えました。

経済学から見れば、公共投資でなく国民にばらまくことでもGDP上昇効果は期待できるようです。これは共産党の政策のようですね。また、民主党マニフェストウにおいては農家への直接資金注入が提案されています。しかし、残念ながらばらまいたお金が貯蓄に回ってしまいがちなので、多くの業者が潤う公共投資の景気刺激効果がより高いと見なされます。ですから公共投資はやめようとてやめられないのです。(民主党政策は景気浮揚効果よりも、食料自給率向上効果や農業の国土保全効果を期待するものです。)

前置きが長くなりましたが、自然を破壊せず、国民にばらまいて、景気刺激の可能な方法があります。これは、住宅の建て替えです。
 
建て替えによる建築廃材が自然を破壊することや、建設のために投入するエネルギーや必要素材の製造にかかわるエネルギーを温暖化ガス換算して考えると、「自然を破壊せず」と言うべきではないのでしょうが、新たに大規模な道路を建設することに比較すれば小さいと考えられます。

民間の住宅で耐震構造に不安のあるものは多いので、建て替えやら耐震補強は必要です。工事費の一部助成やら有利な貸付、補助金などの公金支出は公共事業そのものよりも低予算で済むのですね。

国土交通省住宅局は従来の持ち家奨励策をやめて、建て替え・補強奨励を施策の根本とすることにしました。

マクロ経済入門

少し前だが、大田弘子内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)は、2008年1月18日衆議院本会議における経済演説において、「残念ながら、もはや日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」と述べた。確かに日本の経済成長率は低空飛行を続けている。経済成長とは国内総生産(GDP)の伸び率である。(物価変化を考慮した実質成長率と考慮しない名目成長率がある)

GDPの計算は複雑怪奇だが、以下の消費額で構成されるとイメージしてよい。
 1)個人消費
 2)設備投資
 3)公共投資

お金を使うセクターを、個人と企業と政府に分けて考えるのである。経済学において、三面等価という原則があり、生産・分配(収入)・支出の総計は一致する。このことは重要で、お金を使えばそれは別の誰かの収入となる。収入を増やそうと思えば、お金を使わなければならない。個人が収入を貯蓄したり、企業が余剰金をただ預金にしておいたり、借入れ返済にあてた場合には、その年の日本の収入合計が減ってしまう。

国民総収入がGDPと同じ500兆円で貯蓄率が8割なら翌年の統計では収入が400兆円になってしまう。もし、そうなら毎年GDPは急激に減ってしまうことだろう。
(輸出入のない閉鎖経済の場合)

銀行に預けられた預金はその50~90%が貸し付けられる。銀行は晴れの日に傘を差し出すのが仕事である。必要がなくても貸し付ける。預金が集まったときには、より多くの貸付ノルマが発生する。借りた企業は設備投資をし、借りた個人は住宅を購入する。住宅は多くの日本人にとって生涯最多額の支出だ。

支出した金額は、別の会社の銀行口座に入る。預金額全体は減らない。ということは、銀行が貸付を行うと国内のお金の総計が増える。これを銀行の信用創造機能と言うが、銀行は事実上お金(厳密には、決済可能な現預金=マネーサプライ)を創り出す働きを持っているのである。各銀行が野放図にお金を創り出して、そのままインフレにならないよう、銀行は日本銀行の管理下に置かれ、お金の量と回転がむやみに拡大されないような調節が行われる。

バブル崩壊後の日本経済では、個人が財布の紐を締め、預貯金がだぶついたのに企業は傷ついたバランスシートを回復させるために設備投資を抑え、借金返済を優先した。個人と企業の支出が減ったためにデフレスパイラルが発生。(借金返済自体がマネーサプライを減らし、デフレ要因となる)。時の小渕内閣は、公共投資を大幅増額して景気対策して当座をしのいだ。(この時に発行した建設国債の償還が2009~2010年に到来することを懸念するエコノミストもいる。)

2007年末の国と地方自治体の債務合計は773兆円になり、GDPの150%にあたる。政府は徴税権を持つことと、銀行貸付を促進したり抑制したりすることが可能なので、家計や民間企業と同様の見方で「借金まみれ」を論ずることはできない。

人間ドック

健康と持続可能性を重視したライフスタイルというLOHASがちょっとしたブームになりました。その後にはワークライフバランスかな。
 
別にブームであろうと無かろうと健康を重視することは金儲けよりももっと大事なことであり、私なりに気を遣っています。私がやっているのは、まず人間ドック、そして歯科定期検診、そしてホットヨガであります。
 
ある医師の講演を聴いたところ、「今はガンでも早期発見ならかなり治るようになりました。ただ、スキルス胃ガンのような進行の早いものがあります。そのことを考えると年に2回の人間ドック受診がお奨め。そうすると安心ですね。」と言っていました。
 
ある程度の規模の事業所では労働安全衛生法によって健康診断が義務づけられています。しかし、検査項目が人間ドックほどは徹底していない。やはり自費で人間ドックに行かなきゃ・・・
 
テレビをつけると入院保険とかガン保険とかのコマーシャルが躍っています。医療保障はとても大事だし、亡くなる日本人の3人に1人はガンで亡くなるということであればガン保険も大事。

でも、入院日額1万円の契約を4本も5本も契約している人がいたりします。でも、ガンになってしまってからたくさんのお金が入ってくる図式を作るよりも、そのための保険料で人間ドックの受診頻度を上げる。そして早期発見を図ることの方がベターじゃないか。
 
というわけで毎年、年始に人間ドックにかかることを重視しています。(年に2回受診するのはX線被曝の問題もあって少し抵抗感があって・・・)
 
その講演した先生のクリニックにおいて人間ドックを受診しました。
この先生すごいんですよ。「吉田さん。私はヤブ医者ですから」って言うんです。
 
「私はヤブ医者ですから、あなたの病気を治したり、手術したりはできません。でも、吉田さんの人間ドックのデータを毎年累積してもらえば吉田さんの病気を発見してあげることはできます。病気を発見したら、ご希望の病院への紹介状を書きますよ。そして、今までのデータをその病院に提供できます。」
 
考えてみると、これはなかなか巧みなビジネスモデルといえます。「21世紀の町医者」のビジネスモデルです。彼のクリニック(何と六本木の真ん中にある)には地元の人がたくさんかかっています。家族全員が彼のクリニックにデータを蓄積しているファミリーもかなりあります。そうなると遺伝的なことについても情報が集積していく。これらの情報を含めて提供を受ければ、手術する病院にとっても方針策定に役立ちます。

検索

お気に入りリンク

タグクラウド