2009年11月

経済版不都合な真実

サラリーマンの生涯所得は2億~3億と言われます。そのうちの2割が所得税、年金保険料。残りの8割が手取り。すなわち、1.6億~2.4億。

基本生活費を月額15万円として70年間で1.3億。住居費は賃貸でも持ち家でも約0.8億。教育費は、子供一人あたり1500万円。

子供二人の世帯だと、生活費、住居費、教育費の合計が2.4億となります。なんのことはない。これで生涯所得が全部吹っ飛んだ。

少子高齢化によって老齢年金の仕組みが事実上崩壊したという議論があります。老後の資金を制度に頼れず自分で準備しなければなりません。そのことのインパクトは非常に大きなものです。65才でリタイアしても、月25万円くらいの生活費を30年分用意すると言うことです。9000万円です。今後の年金制度があなたの世帯に9000万円支払ってくれると期待されますか?

このうち、3000万円は何とか老齢年金から支払われたとしても6000万不足します。

どうするのでしょうか?

実は日本人のほとんどがこの単純にして重大な事実に直面していません。平均寿命が長くなっている中での老齢年金制度のぐらつきは実は大変なことなのです。というのも、若いときには頑張りが効き、無一文になってもやり直すパワーも能力もありますが、リタイアした年代ではそうはいきません。

若い頃には、「ここ一週間1000円で暮らしたよ」なんて貧乏話が楽しく交わされます。でも、これは若い頃だから良いのであって、年を取ってからの貧乏は非常にこたえます。

「私は60歳までに1500万円貯めてください。」と言っております。

50歳で始めると、年額150万円。毎月12万円以上貯めなければなりません。50歳と言えば子供が高校大学で最もすねをかじられる年代、そして、老親が介護状態になったりしている年代です。そのときに月間12万円を貯めることは、それはそれはきついことでしょう。

40歳から始めると、年額75万円。毎月6万円。簡単ではないけど、不可能ではないペース。

じゃあ30歳だったら・・年額50万円。毎月4万円。まだ安月給かもしれないけれど、やりくりすれば可能ですよね。多少でも利回りがあれば60歳の時には1500万円を超えているかもしれない。

問題は、30歳の人が自分の老後を真剣に考えることができるかどうか、ということです。想像力を働かせてもらうしかありません。

私は、この単純にしてはなはだ不都合な真実を多くの人に知ってもらうことに情熱をかけています。この真実をしっかり受け止めるところからファイナンシャルプランニングが始まると言っても言い過ぎではありません。

内需・外需・官需 その2

日本は慢性的に内需不足で外需と官需に頼らざるを得ないことを述べました。

今までの官需というのは、「公共事業」です。すなわち、空港、ダム、道路、建物など。土建です。そして、自然破壊です。

経済が東京圏に高度に集約されてきました。大阪は戦後まで、「日本第二の都心」だったのですが、今や「最大の地方」となりました。極端に言えば、日本には「東京」と「地方」しかないのです。地方の経済活動における公共事業の比率が高まってしまいました。

ここで、小泉政権や民主党政権が公共事業を抑制しようとすると、地方経済の多くはたちまち失速します。民主党は土建を抑制し、人々への直接所得注入を行う政策です。私は個人的に賛成です。

日本の公共事業は土建であり、自然破壊なのです。なんか嫌な感じですね。

でも、アメリカよりはまだマシかも知れません。

というのも、アメリカの公共事業はまさに「戦争」なんですから・・ すなわち、「破壊」と「殺人」です。戦争をしなくなったらアメリカ経済はもたないのです。

全世界のどこにでも軍隊を展開し、空爆します。輸出する商品は、「民主主義」。相手が嫌がれば嫌がるほど燃えます。ベルリンの壁が崩壊して20周年。イデオロギー対立がなくなったので、民主主義の輸出先はイスラム社会や独裁政権、テロリストを支援する国家となりました。それらを「悪の枢軸」「テロ国家」と名付けて最新兵器を雨あられと降らします。

そのための費用を実は日本が米国債を買い続ける(外貨準備として)ことで、結果的にファイナンスしてしまっています。戦争の費用のある程度の部分を日本が支払っているのです。

「うまくやられてるな」と思う方も多いかも知れませんが、そうとも言い切れません。

なぜなら、日本の好景気はアメリカが大規模戦争を行っているときに起きています。
・ 朝鮮戦争 : 戦後復興
・ ベトナム戦争 : 高度経済成長
・ 湾岸戦争 : バブル景気
・ イラク戦争 : 平成景気
日本は結果的にアメリカの戦争の間接的恩恵で豊かさを享受してきたのです。

平和憲法やら非核三原則やらは、実質的に意味があるのか無いのか・・・良くわかりません。そんな図式を見ている人から見れば「チャンチャラおかしい」と映るでしょう。

さて、オバマ大統領は核廃絶を高らかに宣言しました。多くの先進国もそれに協力することを直ちに表明しました。「はだしのゲン」の中沢啓治さんなどの日本の反核運動家は拍手喝采しました。

でも、これは核保有新参者たちへ、通常兵器による戦争の宣戦布告ではないでしょうか。

核廃絶をも戦争の理由にしてしまうのです。アメリカって恐ろしい国ですね。冷戦という「核を持つことによる平和」の時代から、「核を持たせまいとの戦争」の時代に既に移行していたのです。ブッシュが国連を軽視・無視していたことで歴史に大きな汚点を残したことからオバマは大いに学習し、「国連を味方に付け、国連を利用した戦争」という新しいコンセプトを打ち出したのですね。

ノルウェー政府は、ただちにオバマ大統領にノーベル平和賞を授けました。これは、すごい「くせ球」を投げたのではないでしょうか。ノーベル平和賞を受賞したとたんに戦争をしかけることは、歴史上の汚名を極端に気にするバラク=オバマ氏にとって抵抗がありましょうから。

ただ、CIAを活用してテロが起きたように見せかけるぐらいのことは簡単にやれることですから、ノーベル平和賞が決定的な抑止力にはならないのでしょうね。

日本もアメリカも矛盾がいっぱいなんです。もちろん、中国も。ヨーロッパも。

内需・外需・官需

2009年11月時点で、民主党政権による事業仕分けが進行しています。ばっさり切られた事業もたくさんあります。「今までその事業によって仕事を得ていた会社は大丈夫かな」と心配になります。全体で3兆円カットするなら、3兆円近くの法人売上高が「消えてしまう」ことになります。

すると、法人は仕入れや支出を絞ることになりますから、失業率が悪化したり、さらに売上高が上がったりすることになります。

「そんなことを言っていたら、財政規律は保てず、いつまでたっても国債残高が減らない。」

という意見があります。これもまた正しいと思います。これをどのように解決すれば良いのでしょうか? 実は誰にもわからないのです。

人々が仕事をすると商品を供給する力が増えます。それに伴って需要があれば売上と利益が生じます。供給者はハッピーになります。もちろん需要家(お客さん)もハッピーになるからこそ、その商品を購入しているはずです。供給者も需要家もハッピー。従業員も給料が増えてハッピー。政府も税収が増えてハッピーとなります。「需要>供給」で物価が上昇していく状況を「インフレ」と言います。インフレだと、めでたしめでたしなのです。

しかし、需要が減るとどうなるでしょうか。供給者は売上高が下がり、利益も大幅に減ります。するとその従業員もボーナスを減らされたり、賃下げさせられたり、首を切られたり・・とアンハッピーになります。収入が減ると、その人は商品を買えなくなりますから、さらに需要が減るのです。「需要<供給」で物価が下がっていく状況を「デフレ」と言います。政府も税収が減ってアンハッピー。デフレではみんなアンハッピーとなるのです。

日本人は基本的には無駄遣いをしません。まじめですから仕事をがんばって供給力は常に増えます。基本的には需要不足の社会です。

昭和23年から60年くらいは、輸出によって需要不足を満たすことができました。特に米国が世界中の商品を買いまくったのです。怒濤のように輸出をして、国内はハッピーハッピーでした。高度成長時代、安定成長時代でした。

土地バブル、株式バブルが平成元年末をピークにして崩壊しました。大きな需給ギャップが生まれました。小渕総理を筆頭に、日本の政府は赤字国債を大量に発行して、政府の公共投資によって需給ギャップを埋め、失業率の高まりを抑えてきました。

その後、中国沿海部の人たちが旺盛な消費意欲を示して、少しは持ち直してきました。

基本的に日本経済は、
・ 国内需要不足 (国民消費が不足)
・ 外需依存
・ 官需依存
なのです。そして、さらに、
・ 人口が減少
・ 消費意欲の低い高齢者の増加
・ 生活のために必要な家電は充分行き渡ってしまった
・ 携帯電話やゲームで消費者の欲望が満たされてしまい、ブームになるような新商品が出にくくなった
・ 企業が収益を確保するために賃金を下げ、派遣社員を安い賃金で酷使
・ ワーキングプアと呼ばれる若年低所得層は消費をリードするパワーなし
・ 昔から今まで消費の主役は団塊世代。この世代が60代になり、消費が減った(最も消費するのは40代半ば)
・ 介護は新ビジネスだが、顧客層である後期高齢者には支払い能力が乏しく、「おいしいビジネス」となり得ない
ということから、絶望的に慢性内需不足に拍車がかかっていきます。国内は基本的にデフレ傾向なのです。

ですから、2008年のリーマンショック、AIGショックのような国際的な金融危機で外需が減少すると非常に大きな影響が出てしまう経済構造なのです。

散るという飛翔の形

「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート=キヨサキが講演した後、質問した人がいた。

「では、一般的な投資家はどのようにすれば良いのですか?」

ロバートは答えた。「まず、一般的であることを止めなさい」と。

私たちは凄い量のメディア情報を浴びて生きています。でも、その情報は正しいのでしょうか?

メディアリテラシーという言葉があります。メディアの情報に対して、どのように「つきあう」のか。このことについて、述べます。

・情報には「事実」と「意見」がある
・情報の提供者は意図を持っている
・情報の提供者は最大多数の「耳ざわりの良い」情報を発信する
・コメンテーターは、訴訟リスクの少ない相手を攻撃する

ということですね。これって、当たり前の話です。
メディアの情報、「新聞に書かれたから」「本になっているから」「偉い先生が言っているから」、「その情報が正しい」ということは一切ないのですね。あと、「NASAが開発したから→良い」とも限らないのですね。

世の中に「一般ピープル」なるものが存在するとしたら、
A)「一般ピープル」はどのように、その情報を受け止めるだろうか?
B)「一般ピープルでない自分」は、どのようにその情報を受け止めればよいか?

という二つの質問を自分自身に投げかけてみてほしいのです。

A)を研究しないと、例えば株式投資はうまくいかないことでしょう。「株式投資は美人投票である」というケインズの明言があります。自分がその人を美人であると思うかどうかは無関係で、「多くの人が美人と思う」銘柄に投票しなければ儲かりません。

また、マスマーケティング(テレビCMを打って消費者に売るような販売)に携わっている人とか選挙参謀も、A)へのたゆまない研究が必要になります。

日本人は「変な人」「変わった人」とみなされると生き辛くなり、極端には絶望します。小学校から職場、老人ホームまで、「変な人」が排斥され、時にいじめの対象になります。多くの人は、「変な人と言われないように」多くのエネルギーを使います。

「顔黒」のような奇抜なファッションも、その少女が属しているコミュニティにおいては顔黒がスタンダードであって、そのコミュニティで「美白」を主張するといじめられてしまう、なんてことが起きたりしているかもしれません。

ところが私はちょっと変わった父に育てられました。私の父は子供時代から言われのない差別を受けていじめられ、海外への憧れを強く持つようになりました。その気持ちが学徒動員で徴用され、武器弾薬もないのに拘束されて、ひたすら上官に殴られるという体験から日本社会への憎悪にまで発展し、子供の私に対しても、「日本人としての普通」になるな、という教育をしました。ですから、私には「変な人と言われることへの抵抗感」が育たず、自分のユニークさを守るように生きてきました。小学校から現在に至るまで度重なるいじめに遭ってきたのは、日本社会に生きるための一種の納税のように受け止めてもいます。そんな私は、上記のB)の問いかけを常に行ってきました。

今は大人になったので、A)とB)の両方の見地から眺めるようになっています。

これから、いくつかのケースに対してA)ではない見方を示します。これは残念ながら、ある人には不快感や怒りを招く可能性があります。ちょっとリスクを取って読んでくださいね。また、「事実」と「意見」を区別してみてください。

銀行と日銀

橋下府知事が選ばれた大阪府において、某銀行(郵政公社トップの出身行)が強烈な貸し剥がしを行っているとのこと。(これはあくまで噂であり検証できません。また、私はそのことを悪いこととも思っていません。)

橋下府知事ががんばればがんばるほど公共工事が抑制され、地元の中小土建業者が倒産していくので、銀行として早めに貸付金を回収しておこうというものです。元本保証の約束で人々のお金を預かっている立場としては、当然のことでしょう。

問題は貸し剥がしをするからもっと(たくさんの/早くに)倒産が起き、法人及び個人の納税額も減りますから府財政はますます悪化するというデフレスパイラルですね。

銀行は預かった預金額に応じて日本銀行から借入れを行って、預金額の50~90%程度を貸付に回します。この比率を預貸率と言います。貸し付けると、その会社の、そして住宅ローンであればハウスメーカーの預金口座にお金が入る。預金額が増えるので、その銀行はその「増加分×預貸率」分だけ貸付を増やすことができることになります。

銀行は預金額に応じて貸付を増やそうとします。銀行員たちには強烈な貸付ノルマが課されます。借りる必要の無い会社にまで、「借りてくれ」と言って回ることになります。これが、「晴れの日に傘を差し出す」という銀行のふるまいです。

相手の信用でお金を貸し、そのことで預金額が増えていくという効果を「信用創造」と言います。消費者金融からお金を借りる場合には、借りた金額だけ消費者金融会社の銀行預金残高が減少するのでトータルの預金残高は差し引きゼロですから、この効果は日本銀行に当座口座を持つ銀行限定の現象です。

景気が良くなると、企業は将来の販売増を期待して在庫を積み増ししたり、設備投資したりしようと借入れを増やします。すると、銀行トータルで見ると預金残高は「貸付分-お札の流通金額の増加分」だけ増えるのです。

世間に流通する通貨量を増えるとインフレになります。それを防ぐために日本銀行は公定歩合(日銀から銀行への貸付金利)を上げたり、短期資本市場からお金を吸い上げたりしてインフレ防止に努めるという大事な働きをします。

日本銀行の金融調節が強く働いたり、あるいは景気が悪くなったりすると、逆回転が起きます。預金額が減り、貸付が抑制されます。さらには、貸付金の回収ノルマが銀行員に課されます。これが、「雨が降ったら傘を取り上げる」という銀行のふるまいです。そして、このことでさらに景気が悪くなっていくのです。

銀行員は、晴れの日に傘を渡して雨が降ったらそれを取り上げることに罪悪感を持ったら行内で生きていけません。目の前のノルマを淡々とこなすしかありません。

新銀行東京は、銀行のこのようなふるまいを嫌気して、異なるコンセプトで作られた銀行です。この稿を書いた3月12日は新日銀総裁と新銀行東京が大問題になっています。

学校に行く目的(4)

英語の graduation は「学位を与える」ことに焦点が当たっている。卒業という漢語。業を卒する。業をしまふ。卒業時点では既に過去に焦点が当たっている。

私が最も好きなのは commencement という言葉。commence とは「始める」の意。新たなる旅立ち。卒業後に焦点が当たっている。これ好きなんです。結婚披露宴に行くと、「ゴールイン」と言われる。いつも違和感がある。結婚生活はこれから始まる。数十年の結婚生活に比べたら、ケーキに入刀するとか披露宴のアレンジを行うなんて些細なことでしかないじゃないですか。
 
資格好き、ブランド好きな日本人ですが、それって「思考停止」に役立つんです。これって重要ポイントです。

脳って、その機能を節約するために思考停止したがるんですね。観念、ビリーフもそうです。さまざまなことを全部白紙から判断していったら間に合わないし疲れるので、過去の体験とか親の言葉からビリーフシステムを構成する。ビリーフシステムが自動的に反応してものごとを処理していく。

日本人は大学に入ると勉強しなくなると言われる。私もその一人です。(ただ、他の大学に行った人はもっと勉強していないことを知った。)ブランドによる思考停止なのです。ブランドを獲得しても将来何の保証もないのに、あるように思ってしまう。そして、思考が停止する。「学校に入れば安心だ」というのは親の思考停止です。学費を払って安心するとか。これも親の思考停止。そして、親が思考停止すると子供は当然のように思考停止します。

私の講座で自分の意思で学校に行く人がいます。驚くべきことに自分の意思で将来のために通うくせに親に行かされたのと同様の思考停止を起こすことがある。入学するだけで、授業料を払っただけで安心し、思考を停止する。おいおい。

学校に行く、特に社会人にとって重要な目的は、

4)そこで色々な人と出会う
ことじゃないですか。

その資格を持って仕事をしている人に会える。それは先生だったり、事務所スタッフだったり卒業生だったりします。彼らから話を聞く。その仕事をして、どんな喜びがありますか、何がしんどいですか、後悔していませんか、将来どんな発展がありますか、その仕事を始めるためにどんな準備をしましたか、こんな私はその仕事をできそうですか・・・など。すばらしい情報が手に入る。その大いなるチャンスを生かさない手はないと思います。だけど、とほほ・・・ 卒業するまでそんな作業を行っていない人が結構いるのです。これって想像力の欠如? 思考停止のたまもの?

はっきり言って、スクールに行って入学手続きを行うまでに、そのスタッフ、講師、卒業生を紹介してもらい、聞きまくれば、そのスクールに行くことが必要ないことがわかる場合も多いのですよ。授業料とか節約できます。

検索

お気に入りリンク

タグクラウド